コールセンターの仕事を始めたての頃は、毎日やめたいとばかり思っていました。
せっかく見つけた仕事を簡単にやめることができない状況だったので、なんとかがんばって続けていましたが、とにかくやめたかった。
会社の駐車場までがんばって行きます。でも車から降りたくないので、車の中で会社に行かない理由を考えていました。
「子供が熱を出し感染症の疑いが…」
「食あたりしたらしく10分おきにトイレに駆け込んでいる」
「車のバッテリーが上がりエンジンがかからない」
会社を休む理由を考えついたら、上司に電話するところを想像します。すると、嘘の電話をするのもすごくイヤだということに気づき、だったら出勤しようか…と重い足をひきずり会社へ向かうのでした。
どれぐらいやめたかったかというと、手帳に「仕事をやめる目標の日」を書いたりしていましたね。
そこまでは、やめたい気持ちを我慢してがんばって続けよう、と自分と約束したわけです。
そんなにやめたかった私ですが…
いつのまにか、朝仕事に向かうのが、それほど苦痛ではなくなっていました。
そして今はなんと、仕事が楽しい。やめたくない、と思っています。
今日は、コールセンターの仕事を40代で始めた私が、慣れるまでにどんな苦労があり、何カ月で慣れたかを書いてみたいと思います。コールセンターの仕事って何歳までできるのか、ということについて気になっている人もいると思います。
そういったことから、離婚後に仕事探しをしている人に、コールセンターの仕事はおすすめできるかどうかについて、私の考えを書きます。
もくじ
コールセンターの仕事とは
企業や官公庁が、サービスや商品の利用者からの問い合わせにこたえるため、電話窓口を用意していることが多くあります。
企業や官公庁が直接コールセンターを抱えていることもありますが、外部に委託しているケースも多いです。
コールセンター業務にはいろいろな種類があります。
- 商品やサービスの注文を受け付ける(受信)
- 商品やサービスの使い方についての問い合わせに答えたりご意見を伺ったりする(受信)
- 商品やサービスの不具合について対処方法をお知らせしたり修理の受付をしたりする(受信)
- 企業等にかかってきた電話の要件を聞き担当者に伝えたり、電話の取次ぎをしたりする。電話秘書(受信)
- 見込み客に電話をかけ、商品やサービスのPRをする。商談のアポイントを取る。注文受付をすることもある。(発信)
- リストをもとに電話をかけ、アンケートをとる。(発信)
この記事にも詳しく書いているので、よかったら読んでくださいね。
コールセンターで働くと、このような業務に携わり電話を受けたり、かけたりするお仕事をします。
コールセンターの時給はけっこういい
コールセンターの求人は比較的多いです。特に資格などは必要のないことが多い求人の割には、時給が高めであることも特徴です。
求人情報を見てみると、安くても900円程度、高いものでは1500円以上という求人もあります。
ただし、正社員で働けることはあまりなく、コールセンターで働く人のほとんどが派遣社員、アルバイト、パートです。
辞めたい→楽しいに変わるまで何カ月かかったか
ストレスがたまる仕事、などともいわれるコールセンターの仕事ですが、実際やってみてどうかというと…
最初の頃は仕事がイヤでイヤでしょうがなかった!
というのが本音です。
3か月たてば慣れるよ、と周囲の人が励ましてくれましたが、とても慣れるとは思えませんでした。
でも、いつの間にか慣れ、出勤するのがそれほど苦ではなくなりました。そして今では、この仕事が楽しい、これほどラクな仕事はないかも、と思うまでになっています。
入社後の私の気持ちの変化を時系列でレポートしてみます。
研修期間中
同じ時期に入社した人たち数人と一緒に、座学や実習による研修を受ける。研修用のDVDをみたり、ノートに要点を書きとったりと、お勉強。これは余裕。これで時給ももらえるなんてラッキーと思っていた。
研修の終盤
そろそろ研修が終わりそう。でもまだまだわからないことだらけ。まさか、こんな状態で電話を取るわけじゃないよね?と焦りを感じ始める。
研修終了後
ついに上司から「電話取ってみましょうか」と恐怖の一言。
嫌ともいえず、お客様からの電話に初めて出る。しどろもどろな応答をし、とにかく「少々お待ちくださいませ」と言って保留→研修担当の上司や先輩に聞く。しどろもどろで答える。の繰り返し。
お客様は、あきれるか、イライラするか、怒るかのどれか。
数本の電話を取ると、精神的にげっそり。
研修終了後1週間
毎朝、やめたい、逃げたいと思う日々。
何も考えず、途中で逃げずに会社までたどり着くことだけを考えていた。
勤務時間になると、とにかく電話はなり、取らないという選択肢はない。わからないことは人に聞き、怒る客にはあやまる。
時は確実にすぎ、就業時間は必ず来る。これを信じて耐えた。
研修終了後1カ月
簡単な内容なら、問題なく受け答えできるようになってくる。でもまだまだ、知識や経験不足でちゃんと対応できない問い合わせ内容がある。
電話が鳴るたび、いやだなぁと思いながら出る。
帰宅時間になると、解放感と、今日もかろうじて逃げずに最後までやれたという達成感に満たされ、明日もできるはず、という自信を感じる。
でも朝になると「やっぱり私には無理だ…」と思えて、休む理由を必死に探す。
研修終了後3か月
8割ぐらいの電話には、問題なく受け答えできるようになってくる。
まだ電話は恐怖だし、お客様をイライラさせてしまうこともある。
しかし少しずつ、「今日は一回もお客様に怒られてないな」と思う日が増えてくる。
職場の人たちとも少しずつ仲良くなり、休憩時間に居場所がない感じがなくなってくる。
5カ月
だいたいの電話には、問題なく受け答えでき、電話に出る前のイヤな緊張感は薄れてくる。淡々と電話に出ることができるようになる。
知識がつくとともに、対応の難しいケースでも、相手を怒らせないような話し方を工夫できるようにもなってくる。そのおかげで、怒られるということがあまりなくなる。
職場の人たちと仲良くなり、愚痴をこぼしあったり、楽しく雑談できるようになってくる。
7カ月
仕事にだいぶ慣れた、と思える。朝ちょっと「休みたい」と思うことはあるが、本気で休む理由を探したりすることはもうない。
怒られることはあまりなくなり、少しはお客様のお役に立てたかも、と思える時もあり、やりがいを感じる。
時給もまあまあだし、みんな楽しくていい人だし、いい職場だなと思えるようになっている。
コールセンターの仕事は何歳まで応募できるか
何歳までの人を入社させたいかどうか、というのは、コールセンターによって違いが大きいです。
私が実際に仕事探しをしたり、周囲の人たちの年齢などを見て思うことをザックリ書きます。上司が応募や面接に来た人について話すのが聞こえることがあるので、そこから思っていることもあります。
コールセンターは、若い人はどこでも歓迎すると思います。20代、30代は歓迎。
40代からは厳しくなり、年齢が上がれば上がるほど、採用されにくくなることは事実だと思います。
でも、40代、50代の人が普通に働いているコールセンターも探せばありますし、中には60歳前後の人が働いているところもあります。
40代以上の人がコールセンターの仕事を探す場合は、今まで、コールセンターや営業事務など、電話でお客様と話しパソコン入力をする業務経験があるかどうか、電話や面接での印象などが重要になってきます。
それに、その職場で人が足りない時間帯や曜日に、勤務できるかどうかという点も大きいです。
土日、早朝、夜間など、人が足りないところに都合よく入れる人なら、面接してみてもいいかな、と思ってもらえることがあるかもしれません。
若い人ばかりが働いているコールセンターは、年齢制限を募集要項に書いていないとしても、実質年齢制限あり(応募すること自体はできるが、応募しても、年齢が高い人は書類選考で落とされる)という場合があります。
40代以上の方で、コールセンターで仕事を探してみたいと思っているなら、年齢が高めの人も働いているコールセンターなのかどうか、できるだけリサーチしてから応募した方がいいと思います。
パソコン操作はできますと言えるようにしておきたい
40代以上で、パソコン操作から教えなくてはいけない、と思われると、選考で落とされる可能性が高くなります。パソコン初心者も歓迎、などという募集以外は、パソコンの入力はできるようにしてから応募した方がいいです。
「キーボードのブラインドタッチができます」
「ワード、エクセルの基本操作はできます」
この程度は言えるぐらいにはしておきたいです。
今スマホだけでもじゅうぶん便利になってきているので、家にパソコンがない人も多いかと思います。その場合は…
自治体で、母子家庭向けのパソコンの無料講習会などやってないか調べてみましょう。
図書館や公民館でパソコンを使える場合があるので探してみましょう。無料で使えるタイピング練習ソフトを利用して練習します。
少しお金がかかりますが、ネットカフェで練習するなどもありかもしれません。
コールセンターの仕事は何歳まで続けられるか
コールセンターの仕事を見つけるのは、40代から厳しくなってくるということを書きました。
次に、コールセンターの仕事を始めることができた場合、何歳まで続けられるかということについて書いてみます。
私が働いているコールセンターには、20代から60代までの人が在籍しています。女性の割合が高いですが、男性もいます。
扱う商品やサービスの内容によって大きな違いがあると思われますが、知識をつけてスキルを磨くと、60歳前後まで働くことは十分可能であると思います。
ただ、視力や聴力の低下で、ミスが増えてしまうなど、年齢によりどうしてもパフォーマンスが低下することがあると思います。そこをカバーできる知識やコミュニケーションスキルがあれば、職場で役にたち、仕事をし続けることができるだろうとは思います。
コールセンターの仕事は離婚後のシングルマザーにおすすめか?
コールセンターの仕事は、離婚後のシングルマザーにおすすめかどうかということについて、実際にコールセンターの仕事をしている私の考えを書いてみます。
派遣、アルバイト、パートがほとんど
安定して長く勤め続けることができるかどうか、という点では、あまりおすすめとはいえません。
派遣、アルバイト、パートという立場ですから、いつ「切られる」かわかりません。どんなにまじめに仕事をがんばっても、その会社自体の業績が悪くなれば、そういった可能性はあります。
切られた時に、次の仕事を探せるかどうかも考えておいた方がいいです。50代でコールセンター業務の経験がある人が、コールセンターの仕事をまた探せるかどうかというと、40代よりも一層厳しくなるはずです。
その時、コールセンター以外にどんな仕事を探せるか、考えてみてください。
繁忙期だけの短期で派遣社員を入れるということもあります。若いうちは派遣でいろいろな会社を転々とするのもいいのかもしれませんが、40歳になる前に、65歳まで働き続けられると思える仕事を見つけたいと考えた場合、コールセンターの仕事は、ちょっとこころもとないです。
65歳まで働けるかどうか見極める必要がある
コールセンターの仕事は、集中力、判断力が必要な仕事です。視力、聴力も大事。
高齢のスタッフも一定の割合でいて、しっかり働いている職場の場合は、60歳以降まで長く勤めることを考えてもいいかもしれません。人一倍知識とスキルを身につけ、職場の人たちといい関係を築いて…やるべきことはたくさんあります。
結論・コールセンターの仕事は離婚後におすすめ?
私の結論としては、コールセンターの仕事は、時給もなかなかいいし、体力のいる仕事は自信がないという方にもおすすめできます。ここ数年のことだけを考えるなら、仕事に慣れるまで頑張りさえすれば、かなりいい仕事だと思います。
でも、できるだけ長く、60代になってからも働き続けたいと思っている人には、あまりおすすめとはいえないと思っています。