離婚ひとつだけでも、とても大きな生活の変化なんですが、多くの場合、引っ越しや子供の転校など、さらに大変なことが重なるケースが多いのではないかと思います。
それでも、実家に引っ越すというのは、まあ生活面では不安が少ないと思います。自分の親ですからあまり気がねしなくてもすみますし、住むところや食べ物がない、という心配はとりあえずはないわけです。
離婚して実家に帰ると、生活費もぐっとおさえることができる場合が多いと思います。
でも、実家の両親が高齢の場合は、安心とばかりはいっていられません。いわゆる熟年離婚だと、両親が70代以上の高齢というパターンになってしまうことも珍しくはないのかなと思います。
親が50代や60歳前後、というケースとは、まったく違うんです。
つまり、離婚して、満身創痍で実家に帰りついたその日から、介護の負担をも引き受けることになりかねないということです。
自分が子供の頃すごした家に帰るということで、若かった頃の元気な親のことを思い出してしまうかもしれません。元気で、わがままもきいてくれた親の思い出もあるかもしれません。
でも実際、年を重ねた両親は、自分の思い出の中の両親とはもうまったく違っているかもしれません。
病気ではないとしても、体力は落ち、目や耳の機能が衰え、物忘れがひどくなっているかもしれません。
年をとるとイライラしやすくなる人も多いです。
持病がある人だと、通院や毎日薬を飲んだりする必要があったり、食事にも気をつけないといけなっていたりします。
以前はきれい好きできちんとしていた人が、家事や身支度が億劫になってしまうということもあります。
離婚という大きなストレスを経験しながら、そのような高齢の親と向き合うということは、大変という言葉では足りないほどのきつい経験になりえます。
自分だけではなく、多感な子供への影響も大きいはずです。
実家に帰ればなんとかなる。
そう思いたい気持ちはわかります。私もそうでした。
でも、うまくいかないこともあるということは、知っておいた方がいいです。