離婚して実家で暮らしています。出戻りです。
離婚した人のうち、どれくらいの割合のひとが実家に帰るんでしょう。
私の知っている、子供がいるシングルマザーのなかでは、離婚後に実家で暮らさず、部屋を借りて子供と暮らしている人はとても少ないです。
いても、実家の近くか、少し離れているとしても同じ市町村という人がいるぐらい。
バツイチで実家に出戻りした人たちは、自分はバリバリ働いて、家事は父母にやってもらうというパターンが多いようです。
中には、実家暮らしがうまくいって、とても安定したいい家族に見える母子家庭もあります。
私は、離婚する前は、親とはとくに仲が悪い方ではありませんでした。
それでも離婚して実家に帰ってくると、ケンカが多くなりました。一時期は大ゲンカしてばかりということも。
子供はもう大きくて、かわいくて人なつこい時期はとっくに過ぎており、祖父母は、どう接したらいいかわからないようです。
働く時間も体力もあるのに、短時間のバイトしかせずに、パソコンに向かってよくわからないことをやっている私に、父は言いたいことがたくさんあるけど、言わずにいて、イライラしているみたいです。
いま父は、私たちと一緒に食事をすることを避けるようになっています。
お金を貯めるためには、2〜3年ここに住んで、家事を手伝いながら仕事をした方がいいんじゃないかと思ったこともありました。
私は在宅で仕事をして収入を得ています。私の働き方は、両親にとっても都合がいいことなんじゃないかと、自己満足を感じたりもしていました。
ねえ、お父さん。いまはパソコンがあればこうして自宅で仕事ができるんだよ。働く時間も自由だから、家事をして、お父さんとお母さんの手伝いもして、そのうえ仕事も続けられるんだよ。私がこういう仕事をしていて、よかったでしょう?
内心、ちょっとそんな風に思ったりしていました。
でも、父の考えは全くちがっていました。
父は、朝7時半に、スーツを着て家を出て、夕方6時頃に家に帰ってくるような「ちゃんとした仕事」をする人しか認めないんです。
今日、父から、便箋3枚にわたる長い手紙をもらいました。
その手紙には…
私と子供がこの家に来て、どんなに迷惑かということが、書かれていました。迷惑に思うのが正当である理由を、いくつもいくつも述べていくという内容でした。
たぶん父は、実の子である私を疎ましく思ってしまう自分を、正当化したかったんじゃないでしょうか。私に対してというより、だれより、自分に対して。
正当化する必要なんかないのに。だって実際私は、迷惑をかけていますから。疎まれて当然です。
父は、自分が長年まっとうに仕事をしてきたことについて詳しく書いていました。ようやく、妻と一緒にのんびり暮らそうとしていたこと。そこへ私たちが慌ただしく転がり込んできたこと。
今度私たちは賃貸マンションを借りて引っ越しますが、その保証人を引き受けさせられたせいで、年金やこの家も奪われかねないと思っていること。
普通はこの年になれば、子供に世話してもらってのんびり暮らすものだとも書いてありました。
この年になって、定職がない子供にすねをかじられるとは思ってもいなかった、とか。
生活保護を受けている母子家庭であるということを忘れないように生活しなさい、とも。
定職と言えるものではないのかもしれませんが私は仕事をしていますし、生活保護は受けていません。そのことは父に何度も言っています。
父から見たら、私がやってることなんてまともな仕事じゃないんでしょうし、児童扶養手当も生活保護も同じようなもので、自活できずにお役所から施しを受けて暮らしている半端者ということなんでしょう。
全てが「その通りでございます」としか言いようがなくて、自分の愚かさがひたすら恥ずかしく、消えてしまいたい気持ちでいっぱいです。
アリとキリギリスのお話があるじゃないですか。あれを思い出しました。
冬が来て、食べ物がなくてこまったキリギリスが、アリのところへ助けてもらいに行くと「きみは夏の間、遊んでばかりいたじゃないか」と、説教されます。
まったくです。アリさんのおっしゃる通り。
キリギリスは、バカでダメなやつなんです。
………
お父さん。
おまえはダメなやつで、親に迷惑をかけているぞと、3枚もの便箋で長々と教えてくれてありがとう。
本当に迷惑をかけましたね。
それでも子供を育てて暮らしていかなくてはならないから、この家を出て、がんばります。
お父さんには、無職で毎日パソコンで遊んでばかりいて生活保護を受けていると、何度も言われて悲しいけど、もう、そう思われたままでもいいやって思ってます。
老後に面倒をみてもらえるどころか、迷惑ばかりかけるこんな子供なら、いない方がよかったですよね。
………
離婚して出戻りをして、実家で暮らせるというのは、本当にありがたいことです。
ただそれが、高齢の親にとっては、本気で迷惑ということもあります。
実の親に疎まれるというのは、いろんな不しあわせのうちでもかなりキツイ部類に入るのではないかと思います。
ちょっと、こたえてます。
離婚して実家に出戻りして、うまくいく人もたくさんいると思いますが、こういうケースもあるということで。