離婚後の仕事がなかなか見つからないと焦りますよね。
特に、離婚前に専業主婦やパート勤めしかしたことがなかった人、年齢が高めな人などは、仕事探しに苦労してしまうケースもあると思います。

このページでは、
- 離婚後のひとり親家庭の親の就労率
- 仕事探しの体験談
- 離婚後の仕事が見つからない人への支援
などを書いていきます。
どうしても仕事が見つからない時はどうしたらいいのか、ということも書いています。ぜひ最後まで読んでくださいね。
もくじ
母子家庭等ひとり親家庭の親が働いている割合は?
平成28年度の全国ひとり親世帯等調査結果報告によると、
- 母子家庭の母の81.8%が就業している。
(そのうち、正規の職員・従業員の割合が44.2%、パート・アルバイトの割合が43.8%) - 父子家庭の父の85.4%が就業している。
(そのうち、正規の職員・従業員の割合が68.2%、パート・アルバイトの割合が6.4%)
また同じ調査によると、離婚前に仕事をしていなかった母親のうち68.2%が離婚後に就業しています。
シングルマザーが仕事を探すのは大変?
仕事を探すのが大変かどうかというのは、シングルマザーだからというよりも、年齢や、離婚前の職業によるところが大きいです。
ただ、シングルマザーは、夫と家事や育児の分担ができないぶん、働ける時間に限りがある、または働くことによって家事や育児に支障が出てしまうといったケースがあります。離婚後に実家暮らしで、育児や家事を親が助けてくれる場合もありますが、一人で仕事も家事も育児も背負うひとり親家庭もたくさんあるんです。
そういった意味では、仕事探しの条件が厳しくなってしまい、結果として仕事を見つけるのが難しくなってしまうケースがあるということはいえると思います。
仕事探しの体験談
離婚にともない仕事探しをした方から、貴重な体験談を聞くことができましたので、ご紹介します。
仕事探しの体験談:事務職の派遣社員から正社員へ
30代女性
離婚前に仕事探しを始めました。離婚して子ども2人と一緒に暮らしていくためには、安定した仕事があった方がいいだろうと思ったからです。
子どもはまだ小学生ですから不規則でなく土日も休める仕事ということで、土日が休みの工場、もしくは事務職を探しました。結婚前は事務として働いていたのですが、結婚してから専業主婦になったのでブランクが10年程度あり、ちゃんと仕事が見つかるのか不安が大きかったです。
ハローワークや求人サイトなどを利用したのですがなかなか採用には至らず大変でしたが、最終的には派遣会社に登録して紹介予定派遣で事務として働き始めました。 3カ月程度派遣として働いた後無事に正社員として契約してもらえました。 離婚も成立して今は子どもと3人で頑張って生活しています。
ブランクがある場合はなかなか希望通りの仕事が見つからないため、できるだけ早めに行動し始めたほうがいいなと思いました。
仕事探しの体験談:大手チェーンの飲食店勤務
20代女性
先月、夫と離婚ました。
私の場合、ほぼ着の身着のままで夫の実家から飛び出した状態だったので、まずはひとまずの住まいと生活費を確保するところから仕事探しをはじめました。
できれば経験のある接客業に就きたいと希望していたのですが、就業時間など意外と条件に合う職場が見当たりませんでした。なかなか職が決まらないストレスから、まだ幼い子どもたちにも迷惑をかけてしまったと思います。
もし現在離婚を検討されている方は、自分の衝動に任せて行動するのではなく、ぐっと堪えて先に離婚後の生活を想定した段取りをつけた方がその後の家族関係も含めてスムーズだと思います。
ちなみに現在は某大手チェーンの飲食店で働いています。
仕事探しの体験談:保険会社の営業職
40代女性
20代後半で結婚してからは、ずっと専業主婦をしていました。働くのは、10数年ぶりのため、仕事探しにはやや不安がありました。
現在は保険会社の営業職をしています。
私の場合、離婚することになると思った時点から、派遣会社に数社登録して再就職活動をスタートさせました。
はじめは事務職で探していたのですが、案件が少なく、年齢的にも厳しいようでした。そこで、年齢を気にせず長期で働ける職につきたいと思い、保険会社の営業職に方向転換したんです。
40代の女性も多く活躍しているため、楽しく働いています。また、私よりも年上の女性方が活躍しているので、働く励みにもなっています。
仕事探しの体験談:介護職
40代女性
離婚前から、短時間ですが介護の仕事をしていましたが、離婚後はフルタイムで働くようになりました。
ショートステイという、高齢者の人が毎日施設に通うという施設に居ましたが、給料の高い夜間勤務のある特別養護老人ホームという高齢者が生活する施設に移動しました。
元々仕事をしていたこともあり、そこまで仕事で悩むことはありませんでしたが、施設自体の仕組みが違うため、最初は慣れるのが大変でした。それさえ越えてしまえば、あとはいつもどおり運べていたと思います。
施設ごとにシフトの内容は異なると思いますが、私が働いている施設は、昼と夜の勤務が職員の希望で組まれます。希望していた夜勤は、給料はいいのですが、体力的に徐々に辛くなっているという感覚もあります。
また、子供の送り迎えが必要な曜日は、早朝勤務にしてもらい、夕方子供との時間を作ることもできました。
離婚後の仕事が見つからない人への支援
離婚後の仕事探しについて、これまでいくつか記事を書いてきました。
でも、たぶんこの記事にたどり着いた方は、知人の紹介、ハローワークや求人サイトへの登録といった方法による仕事探しはすでにやってきて、それでもなかなか仕事が見つからずに困っているのではないかと思います。
年齢は変えられませんが、職歴や資格がなくて仕事が見つけにくいのだとしたら、それを身につけることを考えてみるといいんじゃないでしょうか。
職業訓練や資格取得のための勉強をするということですね。

と、思いますよね? でも、探してみたら、お金がかからない方法もあったんです。
公共職業訓練を受ける
家から通える範囲で、就職を希望する人のための職業訓練制度を利用できないかどうか、調べてみましょう。
私の場合は、離婚後に役所からもらった「母子生活の手引き」などと一緒に、職業訓練の案内も入ってきていました。
職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)とは
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が日本全国に設置・運営している職業訓練のための施設です。
数カ月間、仕事のスキルを身に着けるための勉強や実習をして、修了後は就職の相談にも乗ってもらえます。
職種は、私がいる自治体の場合は…
- 機械系
- 電気・電子系
- 居住系
とあり、溶接、電気工事などの他、CADオペレーション、プログラミングなど、女性が長く勤められそうなお仕事に関連する職業訓練もあります。
家から通えるところにポリテクセンターがあり、半年程度の職業訓練を受けることができる人は、検討してみてはいかがでしょうか。
資格取得の支援制度を利用する
資格取得の支援をしてくれる公的制度もあります。
自立支援教育給付金
自立支援教育給付金といって、ひとり親家庭の親が資格取得等のための勉強や実習にかかった費用を助成してくれる公的制度があります。
私が住んでいる自治体では、パソコン関係、語学、福祉など、指定の講座を受講した場合、費用の60%を支給してもらえます。
役所の福祉関係の窓口でたずねてみてくださいね。
高等職業訓練促進給付金
ひとり親家庭の親が、特定の資格を取得し職業訓練を受けるために養成機関で学ぶ場合に毎月定額を給付してくれる制度です。
児童扶養手当を受給している、仕事と育児と勉強の両立が困難であると認められるなどの要件を満たす必要があります。
市町村民税非課税世帯なら、養成機関で学んでいる間、月額10万円が支給されます。
お住いの自治体の市区町村役場、福祉関係窓口に問い合わせてみてくださいね。
高等職業訓練促進資金貸付金
こちらも公的制度で、特定の資格を取得し職業訓練を受けるために養成機関に入学するひとり親家庭の親に対して、入学準備金や就職準備金を貸してくれます。
養成機関の課程を修了し資格を取得した後1年以内に就職し、その自治体で5年以上、その資格を使って仕事をした場合は返済が免除されるといった返還免除もあります。
こちらも相談、問い合わせはお住いの自治体の市区町村役場、福祉関係窓口へ。
働きながら資格を取れる介護の仕事
数カ月から半年も、職業訓練を受けたり、資格取得の勉強をしたりする時間的余裕がないという方もいるでしょう。
「すぐに仕事を始めたい」という方は、採用されやすい職種に絞って就職活動をすることをおすすめします。
たとえば介護職は、求人数が比較的多く、職歴や資格を持っていない人、年齢が高めの人でも採用されやすい職種のひとつです。
介護のお仕事は、求人情報サイトやハローワークでも探せますが、介護職専門の求人情報サイトというものが存在することを知っていますか。
介護専門求人サイト〜かいご畑〜
こちらは、お仕事紹介だけではなく、介護の資格の学校も運営している会社です。無料で介護関係の資格を取れる制度などもあるんです。
介護のお仕事は、社会的に必要度が高く、やりがいがあって、長く勤められる仕事です。正社員として雇われることも夢ではありません。
離婚後に介護の仕事を始めて、資格を取ってスキルアップしている人が、私の周りにも何人もいます。
働きながら無料で資格取得する方法について、ぜひ調べてみてください。
派遣会社への登録は無理と思い込んでいませんか?
私と同年代の女性の中には、派遣会社に登録できるのは、それなりの職歴がある人だけだと思い込んでいる方もいるのではないでしょうか。
たしかに、一昔前はそうだったんですよね。
今私が働いている職場には、派遣社員の人が多くいますが、その方たちに話を聞くと、状況はだいぶ変わったようです。
仕事の経験があって、即戦力になる人を企業に紹介するのが派遣会社でした。今ももちろん、職歴があり、若い方はもちろん派遣会社に歓迎されるでしょう。
でも今は、仕事の経験がない年齢高めの人も、派遣会社に意外と登録できます。そして、一昔前と比べるとずいぶんと、実際に仕事を紹介してもらえるようになっているようです。
早く仕事を見つけたい。社会保険にしっかり入りたい、という人は、派遣会社への登録を検討してみるのもいいと思います。
事務職、データ入力、コールセンターなど、オフィスワーク希望の人には特におすすめです。
仕事と住むところを同時に探しているなら
離婚にともない、仕事と住むところを同時に探さないといけない方もいると思います。
どちらか一方だけでも探すの難しいのに、両方いっぺんになんて無理…
と思えてくるかもしれません。
例えばなんですが、寮がある職場で働くというのはどうですか?
工場ワークス
こちらで、家族寮あり、未経験者歓迎のお仕事を探せます。
調べてみたところ評判もなかなかよさそう。
工場で働くなんて、キツそう…と思いますよね。

でも、サイトを見てびっくりしましたよ。女性が働きやすい軽作業のお仕事もたくさんあります。
縫製、梱包、仕分け、組み立て、機械の操作、品質チェック、倉庫内作業、食品加工などなど…
事務系のお仕事探しに行き詰っている方は、このサイトで、工場事務という穴場の事務職を探してみるのも手です。
離婚後に心機一転、寮のあるお仕事を探して生活を立て直す。いい考えだと思います。
どうしても仕事が見つからない時の相談先
どうしても仕事をするのが難しい、就職活動をしても仕事が見つからない、という場合は、市役所など自治体の福祉関係の窓口で相談してみるという手があります。
「生活保護を受ける」「母子家庭が利用できる施設を利用する」といった選択肢について、説明を聞いてみるのもいいかもしれません。
すぐに支援を受けるつもりはないとしても、そういった選択肢があると知っておくことには意味があると思います。
さいごに
離婚という大変な経験を乗り越えた後、次には仕事探して苦労するというのは本当につらいものです。
このまま仕事が見つからなかったらどうなるんだろう…
と絶望的な気持ちになることがあるかもしれません。
でも、いろいろな支援がありますし、仕事をしたいという意欲があれば、生活を立て直すチャンスはきっとあります。
この記事を読んでくださった方が、一日も早く仕事を見つけて、ほっとする日が来ますように祈っています。
当ブログでは、仕事探しについての体験談を募集しています。メッセージフォームまたは、このページの下のコメント欄に書いて送信してください。体験談以外にもメッセージやコメントお待ちしています。
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