結婚生活を送っていたら当然、夫婦仲良く過ごす時ばかりではないことは大人なら誰でもご存知の事と思います。
今まで別の生活を送っていた赤の他人が一緒に暮らすのですから、毎日の日常生活を送るうえでちょっとした価値観の違いを感じることも少なくないでしょう。
でも大体の場合はお互いの価値観を認め合いながら、話し合いの中でお互いが気持ちよく過ごしていく方法を探していくのだと思います。
その中で、少しケンカしたり、認められないと思ったりするような少しの不満を感じながらそれでも毎日暮らす中で、楽しいことや嬉しいこと、愛情を感じることで帳尻を合わせながら二人で生活を送っていくのだろうなと思います。
また、日本の夫婦のライフスタイルとして、毎日お互いに愛を確かめ合う言葉を交わすという習慣はありません。
そして夫婦間で行われるセックスの数も日本人の夫婦は世界と比べてもダントツに低いというデータが実際に数値で出ています。
でも、こういったことを、特に問題にも思わずに過ごしている方がほとんどだと思います。
日本の夫婦はお互いの事を、人生を共に過ごすパートナーではあるけれど、結婚前のカップルの時のような愛情の感じ方から、次第に仲の良いお友達のような感覚になっていく例が多いような気がします。
こういったことを踏まえると、ほとんどの方は、夫婦だからと言って毎日一緒にべったり過ごすわけではないし、過ごしていないからと言って問題だとも思わない、少しぐらいのケンカは問題ない、と思っていることでしょう。
では、相手がそうは思っていなかったら?
日本の離婚における原因の第一位は長年「相手との性格が合わない」だそうです。
自分ではそんなに問題に思っていなかったことが相手には離婚に匹敵するほどの理由だったということもあるということですね。
今回は、結婚相手から突然大した理由もなく離婚を迫られたら? という想定で、その後の対応策を考えてみたいと思います。
離婚時の慰謝料について
離婚における「慰謝料」と言うのは、離婚によって受ける精神的な苦痛に対して払われるというものだそうですが、この「苦痛」に合致するパターンとしては相手の「浮気や不倫」「夫婦間の暴力」などがそれに当たり、「性格の不一致」や「価値観の相違」では慰謝料が貰えないというのが裁判所の一般的な見解だという事です。
突然離婚を迫られたらそれだけで精神的苦痛を受けると思うのですが、そのあたりは加味してくれないという事のようですね。
もし、相手に突然離婚を迫られた時にはショックを受けるでしょうが、本当に慰謝料を請求出来ないパターンなのかどうかを冷静に判断するということも重要ですね。
もちろん逆に請求されないかどうかの確認も必要になるでしょう。
毎日のちょっとしたケンカも相手によって「モラハラ」と認識され、裁判所が「モラハラ」だと判断すれば慰謝料を請求されてしまう場合もあります。
離婚後の生活への不安
日本における婚姻制度は、どちらか一方が離婚したいという希望があってももう一方が離婚に応じなければそう簡単に離婚は出来ないことになっています。
つまり、突然離婚を迫られても焦らず対応することが大事だと思います。
先ほど、相手に落ち度がない場合の離婚では慰謝料を貰うのは難しいとお伝えしましたが、実際離婚したら一人では生活できないということもあるでしょう。
そのためには夫婦で生活していたレベルをキープするために離婚しないという判断も一つの方法としてあります。
離婚をせずに「別居」し、「婚姻費用」を貰いながら生活を送るということも可能なのです。
「婚姻費用」とは、夫婦で結婚生活を送るうえで必要な「生活費」の事でそれぞれの収入に対して負担率が決まります。
もしあなたが専業主婦や非正規雇用での仕事をしている場合は離婚後一人での生活は厳しくなるでしょう。
離婚を迫られている相手と一緒に暮らすのは精神的にも辛いものがあるでしょうから、別居しつつ婚姻費用を貰い今後の人生について考える時間的余裕を持つという事は重要なポイントになるでしょう。
夫婦の財産分与
いよいよ離婚となった場合に考えなければならないのは、今まで夫婦で築いた財産をどのように分けるかということでしょう。
財産と言うと、持ち家や、夫婦で貯めた貯金があると思いますが、もしどちらか一方の名義になって居たら不安になりますね。
でも大丈夫です。離婚の際の財産分与では名義に関わらず夫婦で築いた財産は等しく分けなければいけないという法律があります。
これは「清算的財産分与」と呼ばれるもので、夫婦が婚姻期間中に共同で形成した財産については、名義が誰の物であれ、夫婦の共有財産ということになり、離婚の際には夫婦で分割し清算しなければなりません。
清算の対象には、動産、不動産、金銭、預金債権、有価証券等が含まれます。ただし、どちらかが結婚する前から有していた財産や、結婚後であっても相続等により得た財産については夫婦の協力の元形成した財産とはいえないため、清算の対象にはならないので注意が必要です。
まとめ
突然離婚を迫られたら、精神的にも不安になりますね。
自分がどこか悪かったのか、なぜこうなる前に解決できなかったのか、考えだすとキリがありません。
修復が可能なのかを探ることも、もちろん大事なことですので、すぐに離婚に応じないという事が重要ですし、もし修復が不可能だと判断した場合にも、婚姻費用や財産分与など、今後のあなたの人生を考える上で重要なポイントがたくさんありますので早急に答えを出さないようにしましょう。