コロナ禍の中、仕事はテレワークが主流になった昨今。
ウイークデイは自宅で過ごすことが多くなり、さらにステイホームで休日も自宅で過ごす、というライフスタイルが定着しつつある現代ですが、それと同時に「コロナ離婚」というキーワードを良く耳にするようになりました。
もくじ
「コロナ離婚」の原因とは?
また、それぞれに趣味があり出かけていた週末も外出自粛により、夫婦で過ごす時間が増えたことで、今まで気づかなかったお互いの価値観の違いなどが見えたこと等があるようです。
一緒に過ごす時間が増えたこと自体は、仲がいい二人ならいいことだと思うのですが、確かに今回のような特殊な状況で長時間一緒に過ごしていると、「こんな人だったのか。」という事も見えて来るでしょう。
女性の家事負担率が高いという現実
例えば、家に居ても家事をしない。というのも一つです。もともと共働きで、男女共に区別なく家事の分担が行われていれば問題ないのでしょうが、そうはいってもやはり日本ではまだまだ女性の家事負担率が高いのが事実です。
子どもがいれば、子供の為に早く帰宅するのは女性が多いでしょうし、家に早く帰れば当然炊事以外の別の家事の事も目に付いて、ついついやってしまいます。
そして週末は週末で、夫に子供の相手をしてもらっている時間に、結局は自分が家事を引き受けるというような家庭が多いのではないでしょうか。
しかし、コロナ前は遅くまで働いて帰ってきた夫に対して家事の分担の話をするのもなんだか気が引けたりして今まではやり過ごしていた世の女性たちも、毎日家に夫がいるとなると話は別です。
平等に負担して欲しいと思いますよね。ところが、そうはいかないのが厳しい現実です。一旦、家の中での家事分担が出来てしまっている以上、夫としても家に居るからと言って家事を自分の事としてそう簡単に考えられないというのが現実ではないでしょうか。
他には、具体的な事象がない場合でも、今まで一日の中で、一人で過ごす時間があった人にとって、それがなくなるというのはかなりのストレスになるようです。
子供がいる家庭ではとにかく普段から母親の個人的な時間と言うのは非常に限られています。それでも、子供が幼稚園や保育園、学校へ行っている時間は、やらなければならないことはありますが、自分のペースで活動が出来る貴重な時間です。
それがコロナ禍の緊急事態宣言下においては、学校も休みになり全く自分の時間が取れなくなったという方も少なくありません。
また、コロナ禍の一番の特徴としては感染症対策としてどこまで気を付けるのかという線引きにおいての価値観の違いではないでしょうか。
手洗いうがいの頻度や、部屋の換気、掃除、外出の頻度など、結構意見が分かれるポイントは多そうです。
「この人、こんなに潔癖症だったのか。こんなことしてたら、神経が参ってしまう」や、逆に「この人といると、いつ感染してもおかしくない。もう少し気を遣ってほしい」という極端な例も含めてその違いは結構深刻な状態だと思います。
コロナ禍での夫婦のすれ違いの解決方法とは?
そのような原因が「コロナ離婚」に繋がっていると思われるのですが、ここでひとつ面白いデータがあります。
コロナ禍だからこそ見えてきたお互いの価値観の違いが原因で、夫婦の意見のぶつかり合いやストレスが増えたことは事実としてあるのでしょうが、「離婚」まではいかなかったというのがこのデータから読めることではないでしょうか。
つまり、コロナ禍が原因で、見えてきた夫婦の価値観の違いやストレスを相手に一方的にぶつけるのではなく、話し合いや、触れ合い、譲り合い、等のポジティブな方法で解決していった例と言うのが思ったより多かったと言えるのかもしれません。
そしてそれは、コロナ禍だろうが普段の平常時だろうが変わりのない解決方法ではないでしょうか。
妻に対して夫ができることは、感謝を伝えること
妻においては先ほども触れましたが、家庭内における家事の負担率がやはり多いことは体力的にも精神的にもストレスの原因になっています。
そして女性は、どちらかというと不満が有ってもギリギリまで我慢して爆発するパターンが多いと言われています。
これは男性側にとってみれば「もっと早く言ってくれればいいのに」とビックリするパターンですね。
それでも話し合いの余地があればいいのですが、爆発するパターンの最悪のケースとして「離婚」という選択肢を選んでしまったという事もあるでしょう。
こうなってしまうと、ここから修復するのは結構難しいと言われます。女性は一度決めたらその判断を覆すことは少なく、弁護士でもたてられた日には、直接話合いをすることもできず、離婚するしかなかったという事例もあります。
そうなってしまう前に男性側にアドバイスできることと言えば、普段からの「声掛け」でしょう。
男性は小さいころに育った環境にもよりますが、家事はやってもらって当たり前だと思っている場合が多いかもしれません。
また、自分が早く帰ることはめったにないにも関わらず、早く帰った方がやるのが合理的だと主張している方もいらっしゃいます。
そういった場合も、「いつも有難う」「助かっているよ」などと言った感謝の言葉があるのとないのでは、家事も仕事もこなす女性側からしてみれば雲泥の差があります。
子育てに関してもそうですね。普段は何も言わないのに、何か子供に問題が発生したときだけ「もっとこうすれば良かったんじゃない?」等と言われたらどう思うでしょうか。
売り言葉に買い言葉ではありませんが「じゃぁ、明日から全部お任せします」なんて言いたくなりますよね。
また、夫の帰りがいつも遅く、一人でなんでも出来てしまう妻の場合は「夫は果たして必要なのだろうか? 夫がいることで自分の負担が余計に増えているのではないだろうか? 夫が居なければ、子供と自分の事だけをしていればいいのだし、夫に対するストレスもなくなるから夫などいない方がいいのではないだろうか。」という思考回路になってしまってもおかしくはありません。
やはり、普段から感謝の言葉は大切ですし、表面的な言葉だけではなく、考え方から変える必要があると思います。
お互いに忙しく働いていると自分のことで手一杯になってしまいがちですが、妻が何も言わないからと言って現状維持をしていればいいと思うのは早計です。
不満をぶつけるのは、良くしたいという気持ちがあるから
不満をぶつけているというのは、夫に直してほしい、二人で気持ちよく過ごしていきたいという気持ちの表れなのです。
そこではまだ、話し合いをする余地があります。ではもし、そのポイントを過ぎてしまったら? 妻の口数はグッと減ってしまいます。
夫に対してもう何も期待しない、自分でなんとかするしかない。その後は、夫などいなくてもいい、夫などいない方が楽だ。というように考えが雪崩方式に膨らんでいくでしょう。
ただ、こうした不満を持つ妻が全て正義なのかと言うと決してそうではありません。
というのも、夫と言うものは大体が妻の不満に気付いていないだけだったという事がほとんどなのです。
妻は言わなくても自分がこんなに頑張っていることぐらい分かるだろう、と思うのですが、妻が完ぺきにこなせばこなすほどそれが日常化していき、夫は気づかない状態が常態化していくという悪循環に陥ってしまいます。
こういった問題に置いて妻側が離婚しないために出来ることは「不満のガス抜き」でしょう。
「これぐらい、自分がした方が早く出来るし、問題ない」と思ってやったことでも、それが当たり前になってしまうと塵も積もれば山となるで、負担は増えるばかりです。
自分で自分を追い詰めないために
家事の辛いところは、終わりがないところと、評価されないところです。
例えば食事の後、洗い物をしてもその数時間後にはもう次の食事の準備をする時間。部屋を掃除しても、毎日新たなゴミや片づけるものが発生する。洗濯をして畳んでもまた洗い物が溜まっている。というように……。
キレイをキープ出来て当たり前で、少しでも出来てなければ出来てないところが目立ってしまい、夫や子供からの「今日は出来てないね」と言った何気ない一言に深く傷つき、怒りを覚えたりするのも当然です。
ですが、ここで怒りを爆発させても、実は夫や子供にはなぜ怒っているのか理解できないということを覚えておきましょう。
つまり、それまで家族の為にと自分で全部やってしまっていたことも気づかれなければ意味がないという事なのです。
自分で自分を追い詰めてしまわないために、自分ではちょっとしたことだと思っても、何でも話してみることです。やることを紙に書き出してみてもいいでしょう。
子供の年齢にもよりますが、家事の雑事の中には子供が出来ることもあります。
今まで当たり前だと思っていた環境が実は妻がやっていたことだと気付くかもしれません。
しかし、書いただけでは気付かない人たちもいるでしょう。そのために、書いたことに対して家族間で役割を決めるというのも一つの方法としてあります。
見える化されたことで、夫や子供はやるべきことが分かり、口で「これやって」「あれやって」とその都度頼む必要もなくなりますし、子供にとってみれば、家庭内でも自分の仕事として役割があれば、大人になった時に男性も女性も等しく家庭内の事を負担してやるべきだ、という感覚が身に着くでしょう。
離婚の危機を回避するだけでなく、家庭内で妻の負担も減り、子供の教育にもなるこの方法はメリットが多いと言えそうです。
夫が家庭に不満を持つポイントと対処法
次に夫が妻に対して不満がある場合。男性が家庭に抱いてるイメージにはどんなものがあるでしょう。
穏やかで、愛情あふれる、安心できる場所、というところでしょうか。もちろん女性にとってもそれは同じことです。
でも、女性は子供が出来るとどうしても子供中心になってしまい、「母親」の部分が前面にでてしまいがちです。子供がいなかった時は2人でロマンチックな時間を過ごすこともあったのに、妻が身なりに気を付けなくなり、体重が増えて来る、など明らかに劣化を感じた時には、「こんなはずじゃなかった」と思う男性陣は多いようです。
また子供がいなくても、もともとの母性から男性の生活態度について細々と注意したくなる人もいるでしょう。
生活態度についてはきちんとしているに越したことはありませんが、あまりにも高圧的に口うるさく言われ続けると、それが精神的苦痛になり、モラハラが原因の離婚という事にもなりかねません。
このような事態を回避するためにはどうしたらよいでしょうか。
まずは妻側。愛情が子供に向かっていくのは多少仕方のない部分もありますが、結婚当初の愛情を思い出すためにちょっとした工夫をしてみましょう。
二人で付き合っていたころの写真や動画を見たり、二人で昔見た映画をまた一緒に見るのもいいかもしれません。
また思い出の写真を見て、当時着ていた服に袖を通してみるのもいいかもしれません。
その服が着れなくなっていたらそれは、ダイエットを決意するいいタイミングかもしれません。努力をする妻の姿を見て夫もきっと協力してくれるようになるでしょう。
次に夫側が出来ること。妻が母になる場面と、妻になる場面をちゃんと使い分けできるように、二人きりになったら妻として扱うということに気をつけてみるのもいいでしょう。
妻も好きで疲れた顔をしているわけではありませんし、化粧をしたくないわけではないはずです。少し気を遣ってあげるだけで変化が見えるのではないでしょうか。
まとめ
夫と妻における「離婚したいと思うポイント」は違うようですが、その回避方法としてはいずれも、「対話」と「相手への思いやり」「見える化」がキーワードになるようです。
お互いに相手は自分とは違う考え方を持った一人の人間ですから意見が違う事は当然なのです。それに対して思いやりをもって相手に伝わりやすく根気強く対話をする努力をすることで、最後の選択肢である「離婚」を選ばなくても済むかもしれませんね。