母子家庭などのひとり親家庭には国や行政から母子手当のような様々な支援があることをご存じでしたでしょうか。
月いくらかでも母子手当がもらえるというのはひとり親家庭にとってはとても心強いものですよね。
ただ、こういった手当は離婚をしてひとり親になったら自動的にもらえるわけではなく、自分で申請しなければならないものがほとんどです。
離婚という選択をした人にとって、その選択は決して簡単なものではなかったと思います。
そして、離婚後も子供を抱えて一人で仕事をしながら子育てをするという大変な状況が待っています。
子供が小さいうちは保育園に預けられないと満足に働けませんし、今まで専業主婦だった方は急に職を見つけることもそんなに簡単ではないでしょう。
精神的に大変な思いをして離婚をした後に、すぐに生活の事を考えなければならないのは本当に大変です。
制度の内容や母子手当などの各種手当が月いくらもらえるのかを知っているかどうかで、今後の生活に大きく響いてくると思いますので、ぜひ見てみてください。
児童扶養手当(母子手当)
母子手当というのは、児童扶養手当とも呼ばれています。
児童扶養手当(母子手当)は国と都道府県が負担して支給されています。
18歳までの子供を養育しているひとり親家庭が所得に応じてもらえる手当です。
月いくらもらえるかと言うと、
もの支給があります。
この金額はかなり大きいですね。
ただ、全額支給の所得制限はかなり厳しく年間所得額が870,000円ということなので、仕事を探す間の当座の生活費の足しにというような意味合いが大きいのかなと思います。
そうはいっても、一部支給の所得制限の上限が3,650,000円ですので、母子家庭の平均年収である243万円という数値(2016年厚労省データより)と比べると、ほとんどの母子家庭などのひとり親家庭は一部支給の対象になるのではないでしょうか。
また所得とは、収入から必要経費(給与所得控除等)を差し引き、養育費の8割相当を加算した額となります。
例えば年収が上限を超えていた場合でも、控除を引いた金額が所得となるので、児童扶養手当(母子手当)の対象となる場合もあります。
自分の認識している年収と所得に開きがある場合もあるので、まずは窓口で確認するのがお勧めです。
この手当の支払い時期は、年6回(1月、3月、5月、7月、9月、11月)支払われますので全額支給の方は1回に86,360円もらえるという事になりますね。
児童扶養手当(母子手当)について
児童手当の申請や手続きについては、お住まいの市区町村のウェブサイトなどを参考にしてみてください。
児童手当
次に児童手当ですが、こちらの支給元は市区町村になります。
母子手当である児童扶養手当と混同されやすい児童手当ですが、受給できる期間が大きく違います。
児童手当は子どもが中学校を修了するまで受給することができます。
月いくらかという金額は子供の年齢と数により一律に決まっています。
3歳まで | 15,000円 | |
---|---|---|
3歳~小学校修了 | 第1子、第2子 | 10,000円 |
第3子~ | 15,000円 | |
中学生 | 10,000円 | |
所得制限にかかる場合 | 5,000円 |
ひとり親に限った手当ではないので金額はそんなに多くはないですが、やはりありがたい制度ですよね。
そしてひとり親家庭が対象ではないので所得制限もかなり緩く、6,600,000円までの家庭でもらえるということです。
この手当の支払い時期は年3回(2月、6月、10月)なので貰える金額は1回に付き4か月分となり40,000円から60,000円(子供が1人の場合)となります。
児童手当の申請方法など
児童育成手当
またすべての自治体ではありませんが、児童育成手当と言うものもあります。
こちらも18歳までの子供を養育しているひとり親家庭に支給される手当となります。
東京都渋谷区を例にすると、
支給要件には所得制限があります。
子供が1人いるひとり親家庭に置いての所得制限額は3,984,000円となり、先ほどもお伝えした母子家庭の収入の平均額からはかなり上の金額になります。
この手当を実施している自治体に住むほとんどの母子家庭の方が支給されるのではないでしょうか。
ただ、この手当の支払い時期は年3回(2月、6月、10月)なので貰える金額は1回に付き4か月分となり54,000円(子供が一人の場合)となります。
ただ、こちらの児童育成手当は一部の自治体でのみ支給される手当となりますので、自分の住む自治体が実施しているかどうかはまず調べてみましょう。
参考リンク:児童育成手当などの子どもの養育について
就学援助
一定の所得制限をクリアした中学生までの子供のいる家庭に支給される手当となります。
現状では一部の自治体に限られますが、その数は年々増加傾向にあるそうなのでまずはお住いの自治体が実施しているか調べてみましょう。
日本では基本的には公立の学校であれば、中学生までは授業料や教科書代は無料となりますが、給食費や体操着や制服、その他特別な教材や用意しなければいけないものは意外に多いですよね。
特に小学校入学準備には、ランドセルを含め大物の出費が多くその金額は6万以上ということですから、母子家庭ならずとも結構なインパクトがあると思います。
渋谷区の場合の年間支給額(定められた所得基準以下の所得の場合)
小学校1年生 | 10万円 | |
---|---|---|
小学校2・3年生 | 6万円 | |
小学校4・5年生 | 7万円 | |
小学校6年生 | 12万円 | |
中学生1・2年生 | 7万円 | |
中学生3年生 | 15万円 |
この金額が通常年に2~3回に分けて支払われるそうです。
所得制限については小学生を持つ家庭の場合世帯人数が2人の場合279万円ということですので、やはり母子家庭の平均年収の243万辺りであれば支給されるという事になります。
就学援助制度を受けることに対して、周りの人にバレてしまうのではないか? というような心理的な抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
例えば渋谷区の場合、学校から配布された書類に記入の上、担任の先生に提出するだけで、該当の場合は援助を受けることができるようになっています。
このように、安心して受け取れるように学校側もできるだけサポートをしてくれる場合が多いようです。
就学援助制度について(例として渋谷区の場合)
ひとり親家庭医療費助成制度
こちらは直接現金が支給される助成制度ではありませんが、ひとり親の親側に対して医療費を助成してくれる制度となります。
通常の健康保険制度ですと、3割程度負担しなければなりませんがこちらの制度を利用すれば、
という事です。(渋谷区の場合)
子供が小さいうちは、子供が熱を出したり風邪をひいたりすることも多く、その風邪を親が貰う事も多いですよね。
そういった場合にこのような医療費助成制度は有り難いですね。
ひとり親家庭等医療費助成制度について
ひとり親世帯臨時特別給付金
新型コロナの影響により、日本経済は大打撃を受けています。
さまざまな方が職を失ったり、従業員を解雇せざるを得ない状況になっていますね。
こういった状況を鑑みて国は様々な支援をしていますが、その中にひとり親世帯への給付金の制度があります。
支給は基本支給と追加支給と2つあり、
となっています。
児童扶養手当を支給されている家庭は自動的に支給されましたが、その他の家庭は申請が必要となっています。
令和2年度の予算からの支給となりますので、まだ手続きをされていない方は是非お住いの自治体に問い合わせしてみてください。
ひとり親世帯臨時特別給付金について
まとめ
今回は母子家庭、父子家庭が支給される手当についてご紹介しました。
ほとんどの支給について所得制限がありましたが、一番金額の高い児童扶養手当以外は母子家庭の平均年収以下の金額でもありました。
もちろん、少しでも早く仕事に就き、一定の収入を得て自立することが将来の為にも大事ですので、こういった手当を貰いながらも頑張って前向きに生きていきたいですね。
しかし、新型コロナの影響はまだまだ続く見込みが長く様々なところから追加で支給を、という声が上がっています。
こういった情報は自分から調べないと支給されない場合が多いので注意して情報収集をしていきましょう。